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はじめに 第一次佐久市総合計画後期基本計画 | 佐久市ホームページ

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(1)

市章の趣旨

佐久の頭文字である「さ」をモチーフに、 鳥がはばたくすがたを図案化したもので、

豊かな未来を創造する佐久市の さらなる飛躍を表現しています。

市民一人ひとりが輝き、 魅力ある力強いまちづくりへの

願いが込められています。

平成17年7月1日制定

市  章

!!

第一次佐久市総合計画

後 期 基 本 計 画

(2)

1

総合計画の概要

基本構想

1 計画の意義・性格

 総合計画は、計画的・効率的なまちづくりを進めるために、市町村が目指す中長期的な目標と、その実現 に必要な基本的施策を示す計画です。

 第一次佐久市総合計画は、4市町村の合併により平成17年4月1日に誕生した新「佐久市」の最初の総合 計画として、合併にあたって策定した「新市建設計画」の基本方針を踏まえて、平成19年度を初年度とし て策定したものであり、市の施策を展開する上での最上位計画となります。

2 計画の構成

 第一次佐久市総合計画は、次のように構成されています。

3 後期基本計画の位置づけ

 後期基本計画は、基本計画(計画期間:平成19年度~平成28年度)の前期5年経過に伴いそれを見直 し、平成24年度~平成28年度の後期5年間を計画期間として策定するものです。前期5年間の施策の成果 の検証と社会経済情勢の変化を踏まえて、後期5年間に実施すべき施策の方向を示すものとなります。

内   容 計画期間

基本構想

将来に向けてのまちづくりの基本理念と目指すべき将来都市像を明確にするもの (平成19年度~平成28年度)10年間

基本計画

基本構想の施策の大綱に基づき、その基本理念と将来都市像を計画的に実現するために実施すべき具体的施

策の方向を示すもの

10年間

(平成19年度~平成28年度) (前期5年経過後に見直し)

実施計画

基本計画で示された施策に基づき、具体的に実施する 事業概要を示すもので、毎年度の予算編成や事業実施 の指針となるもの

3年間 (毎年度見直し)

1 基本理念

 私たちは、鳴動する大山浅間山、静せい謐ひつなる名山蓼科山、ほとばしる大河千曲川の精気を受け、また、佐久 平の高燥冷涼な気候、肥沃な大地により、多様な自然と豊かな実り、安らぎ、癒しを万年にわたり享受し、 営々として歴史を築いてきました。この地に脈打つ、旧中込学校にみる進取の精神や気風、五稜郭にみる新 時代をひらく叡智、農村医療にみる命を守る使命感やたゆまぬ努力、五郎兵衛新田にみる開拓の精神、現代 書道の父天来にみる独創と先駆けの精神を誇りとし、この志を受け継ぎ、新たな文化の礎として発展させ、 未来を担う子どもたちに伝えていかなければなりません。

 本市では、これらの個性を尊重しながら共生・融合を図り、市民の一体感を醸成します。そして、安心し て豊かに暮らせる新たなふるさと創造を進めるため、美しい自然環境に配慮した幹線道路・交通機関・情報 のネットワークを構築します。さらに、この地域間ネットワークを佐久都市圏はもとより全国や世界ネット ワークへと繋げることにより、たくましさと優しさを併せ持つ「多機能都市」として、真の地方の時代に立 ち向かう魅力ある力強いまちづくりへと歩み始めます。

 本市は、「ひとの絆・まちの絆」を基本として、21世紀を担う人材育成や100万経済圏づくりを行い、人 や物流、さらに情報の要衝となるべき「21世紀の新たな文化発祥の大地」を目指します。

ひとの絆・まちの絆で築く文化発祥の大地

ひとの絆

まちの絆

子ども未来館 佐久大学

●平尾山公園

(3)

2 将来都市像

 佐久の地に悠久の歴史を共有してきた私たちは、先人の培ってきた叡智とほとばしる情熱を受け継ぎなが ら、激変期の社会に凛として臨むことが大切です。

 本市は、この大きなうねりを乗り越え、真の地方の時代に立ち向かうたくましさと優しさを併せ持つため に、様々な人々や地域、産業を通じた夢と希望に満ちた新時代を切りひらくまちづくりを目指します。

(1)佐久市が目指す将来都市像

(2)将来都市像の実現に向けて

叡智と情熱が結ぶ、

21

世紀の新たな文化発祥都市

一人ひとりのための温かみと豊かさのある生活空間

このため、本市の将来都市像を

とし、

を副題とします。

 将来都市像を達成するための都市づくりの視点を次の4項目とし、併せて土地利用の基本方針を示します。

10万都市、100万経済圏、1000万交流圏の拠点

 本市は単なる地域の結合でなく、拠点性を持つ10万都市とし、本市が持つ地理・交通の優位性を生か し、さらに高度情報通信網の活用により、人・モノ・情報の結節点として100万経済圏の産業拠点を目指 します。そして、1000万交流圏の観光・文化・スポーツ交流拠点づくりを推進し、未来に繋げる躍動感あ ふれるまちづくりを進めます。

水と太陽と緑がおりなす詩情あふれるまち

 浅間山を始めとする山々、千曲川や田園に代表される「佐久の原風景」を保全・継承するため、計画的な 景観形成や緑化推進等によって地域の開発との調和を図ります。

 また、自然との共生を図り、限りある資源を有効に活用する資源循環型社会を形成することにより、環境 にやさしいまちづくりを進めます。

温かみと豊かさのある生活空間

 ノーマライゼーション*の理念に基づき、性別・年齢・障がいの有無を問わず、すべての人がお互いを尊重 しながら地域コミュニティの醸成に努め、その中で一人ひとりが家庭や地域において自身の役割を見出すこ とにより、生きがい・やりがい・助け合いのある、健やかに笑顔あふれる地域社会づくりを進めます。

伝統と創造の文化のまち

 佐久の風土に培われてきた伝統・文化を継承するとともに、地域コミュニティから国際交流まで様々な連 携・交流を図り、新たな文化の創造を目指します。

 また、高等教育機関や学習施設の整備、ネットワーク化など教育環境の充実を図り、次代を担い、郷土を 担う人材の育成を進めます。

(4)

土地利用

 市域の土地は、市民にとって現在及び将来における限られた貴重な資源であるとともに、生活や生産と いった活動を支える共通の基盤であり、より良い状態で次世代に引き継いでいかなければなりません。  このため、本市の恵まれた自然環境の保全と継承に努め、人と自然との新たな共生・共存関係の構築に向 けた土地利用を図っていく必要があります。

 本市の調和ある持続的発展と一体性の確保を基本として、各地域の自然的、社会的、経済的及び文化的諸 条件を踏まえ、公共の福祉を優先させ、安全で快適な生活環境の確保と地域の特性を生かした土地利用を図 ります。

計画人口: 106,000 人

 本市の人口は、平成22年10月1日現在(平成22年国勢調査)で100,552人となっており、平成17年 の100,462人に比べ90人(0.1%)増、平成12年の100,016人に比べ536人(0.5%)増となってい て、増加傾向で推移しています。

 また、全国的に少子化が進行する中、本市は合計特殊出生率が全国値を上回るとともに、健康長寿都市 としても知られています。

 将来人口の推計にあたっては、少子・高齢化の動向や、わが国の人口減少社会の到来といった社会潮流 を踏まえるとともに、道路や鉄道、土地利用など近年の基盤整備充実による都市力の向上、市町村合併の 効果、さらに本計画によるまちづくり施策の力強い推進などを考慮し、平成28年度の計画人口を 106,000人と設定します。

昭和60 平成2 7 12 17 22 28年 93,895

95,625

97,813 100,016

100,462 100,552

人口の推移(国勢調査)

3 基本構想の柱

将来都市像の実現に向けた基本構想の柱として、以下の6項目を設定します。

市民生活の安全確保と市民満足度の向上

水と緑きらめく

自然と共に生きる快適環境の創出

みんなが生涯現役で

住みよい健康長寿のまちの形成

100万経済圏を目指した

産業基盤の強化と新たな産業の創出

ネットワークで築く地域の

個性・特色を生かした多機能都市づくり

たくましく心豊かな人材の育成と

地域文化の保存・継承と発祥

叡智と情熱が結ぶ、

21世紀の新たな文化発祥都市

一人ひとりのための温かみと豊かさのある生活空間

(5)

たくましく心豊かな人材の育成と

地域文化の保存・継承と発祥

ネットワークで築く地域の

個性・特色を生かした多機能都市づくり

 グローバル化の進展に伴う地域間競争の激化、ライフスタイルや価値観の多様化など、激しい変革 が続く社会において、国際感覚や人権感覚を身に付け、主体的な判断のもと、自ら行動できるたくま しい人材を育成します。

 また、互いに個性を認め合い、学び合う生きがいある社会形成のため、共に生きる豊かな心を持 ち、生涯を通じて学習できる環境整備を推進します。

 地域固有の歴史や伝統・文化については、市民が日常的にふれあい、学ぶことができる環境整備を 進め、地域文化の保存・継承に努めるとともに、各種ネットワークを活用した交流を進め、他の文化 との共生・融合による「新たな文化の発祥地」を目指します。

 地域間に幹線道路・交通機関のネットワークを築くことにより地域間交流を進めるとともに、地理 的利点を最大限に活用するため高速交通網の整備を促進します。さらに、地域間ネットワークと多面 的に連携させた首都圏・日本海圏・太平洋圏との都市間連携・都市間交流を拡大させ、1000万交流 圏の拠点づくりを推進します。

 また、高度情報通信社会に対応した双方向情報通信ネットワークの活用を進めます。

 そして、職・住・学・遊の均衡ある発展を図りつつ、これらネットワークを最大限に生かし、地域 に培われた風土や街並みを大切にするとともに、地域の個性や特色を生かした土地利用を推進し、多 機能都市を目指します。

● 地域の歴史、伝統・文化の保存と継承

● 市民ニーズに対応した文化施設の整備 と文化振興の推進

● 世代・職業・地域の枠を超えた文化交 流の拡大

● 男女共同参画社会の形成

● 高速交通ネットワークの整備促進

● 地域幹線道路ネットワークの強化と交 通機関の利便性の向上

● 高度情報通信基盤の活用と地域情報化 の推進

● 地域の個性・特色を生かした多機能都市 づくりの推進

● 偏見や差別のない社会を目指した人権意 識の高揚

● 個性と創造性を伸ばす教育環境の整備

● 青少年の健全育成

● 創造性・国際性豊かな人材育成

● 生涯学習・生涯スポーツ活動の充実

100万経済圏を目指した

産業基盤の強化と新たな産業の創出

 恵まれた自然環境や高速交通網の結節点としての優位性を生かしながら、安心で安全な農産物の総 合供給基地を確立し、地域農業の振興を図ります。

 また、企業誘致や産学官の連携を進め、技術開発や技術力の強化を図るとともに、地域間や異業種 間との交流を促進し、新たな産業を創出します。

 そして、魅力ある観光地域の形成を推進するとともに、商店街の活性化や就業機会の拡充による人 材確保、高度情報通信基盤の活用を促進しつつ、産業基盤の強化を図り、100万経済圏の構築を目指 します。

● 効率的かつ安定的な農業経営の推進

● 農産物総合供給基地の確立

● 商店街活性化の推進

● ネットワークの構築による魅力ある 観光地づくりの推進

● 企業誘致と技術力の強化・人材育成に よる産業基盤の強化

● 企業と連携した就業機会の拡充

みんなが生涯現役で

住みよい健康長寿のまちの形成

 「みんなで支え合う社会」という意識改革を図り、人と人との交流・相互扶助による、優しさとふ れあいのある地域コミュニティの醸成に努めます。

 そして、市民やボランティア、NPO、事業者といった民間と行政の協働により、子育てから障がい 者・高齢者支援まできめ細かな施策を展開し、すべての市民が生きがいと幸せを感じながら生活を送 ることができる、住みよい健康長寿のまちの形成を目指します。

● 共に生きる喜びを分かち合える福祉社 会の構築

● 保健・医療・福祉・介護の連携による きめ細かなサービスの提供

● 健康づくりの推進

● 安心して子どもを生み育てることがで きる子育て支援の充実

● 地域で安心して暮らすことができる障が い者支援の充実

● 活力ある健康長寿社会の構築

● 医療施設の充実と地域医療提供システム の構築

施 策 項 目

施 策 項 目

(6)

水と緑きらめく

自然と共に生きる快適環境の創出

 二酸化炭素の排出量増加に伴う地球温暖化など、環境悪化による被害や影響は、地球規模で考えて いかなければならない問題であり、最も身近な問題としても認識しなければなりません。

 本市は、豊かな水と緑を有しています。これらを守り未来へ継承するため、環境保全という視点に 立ち、環境への負荷の少ない資源循環型社会の形成を目指します。

● 水と緑きらめく自然環境の保全

● 緑化の推進と景観の保全

● 豊かで清らかな水辺環境の整備

● 資源のリサイクル化とごみの減量化の 推進及び廃棄物処理体制の整備

● 水の安定供給と全戸水洗化の推進

● 省エネルギー対策の推進と新エネル ギーの利用促進

市民生活の安全確保と市民満足度の向上

 日常生活に安全性や安心感を求める傾向が強まる中、子どもから高齢者まで市民誰もが安心して生 活できる地域社会の構築を目指します。

 また、市民の価値観やライフスタイルの変化から、市民ニーズは多様化・複雑化しており、市民の まちづくりへの参加意識が高まっています。

 市民と行政が協働して魅力あるまちづくりを進めるとともに、不断の行財政改革を推進し、市民 サービスの一層の向上を図ります。

● 安心して暮らせる安全なまちづくりの 推進

● 市民と行政の協働によるまちづくりの 推進

● 行政改革の推進と健全財政の堅持

● 適切かつ効果的な広域行政の推進

4 施策の大綱

豊かな人間性を育む文化の創造

○ 文化・芸術について

 地域の多様な自然・歴史・伝統・文化に対する関心や理解を深め、その保存・継承を図ります。  また、既存の文化施設などの充実・活用に努めるとともに、芸術文化活動を支援することにより様々な 文化の共生・融合を図り、新たな文化の創造を目指します。

○ 地域間交流・国際交流について

 市民主体による他市町村との各種交流を拡大し、相互の個性や特徴を生かした地域の活性化に努め、魅 力ある地域づくりを推進します。

 また、異なる文化への理解と広い視野を養い、国際性豊かな人材の育成を図るため、市民の国際交流を 促進します。

○ 人権尊重社会について

 市民が社会的差別を行ったり、あるいは受けたりすることがないよう、人権意識の高揚を図り、同和問 題を始め女性、子ども、高齢者、障がい者、外国人などに対するあらゆる偏見や差別の撤廃に努めます。

○ 男女共同参画社会について

 職場、家庭や地域社会などのあらゆる分野の活動において、すべての男女が平等に参画できる環境整備 を図ります。

 さらに、互いを尊重し合える意識づくりに取り組むとともに、その個性と能力を十分に発揮できる男女 共同参画社会の実現を目指します。

未来を担う人づくり

○ 幼児教育について

 幼児期は、心身の発達、生涯にわたる人間形成の基礎が培われる重要な時期であることから、基本的生 活習慣の定着(家庭のしつけ)や、身近な自然や文化・社会体験などを通じて得られる豊かな人間性と社 会性を育むことを目指し、幼児の健やかな成長を地域ぐるみで支える環境づくりを推進します。

(1)たくましく心豊かな人材の育成と地域文化の保存・継承と発祥

施 策 項 目

(7)

○ 学校教育について

 小中学校の計画的な建設や改築を進めるとともに、学力低下が憂慮される中、基礎学力の向上と、個性 に応じ自己の能力を最大限に伸ばすことができる高次・多機能な学習環境の整備を図ります。

 また、体験学習などの推進や、家庭・地域社会・学校の緊密な連携により、「主体的な判断」「共に生き る豊かな心」を持った人材の育成を図ります。

○ 青少年の健全育成について

 青少年が、自らの価値観を確立し、年齢に相応しい自覚や責任感を備えた人格を形成するため、家庭の みならず、地域社会・学校・行政の連携により、地域ぐるみで青少年の健全育成を推進します。

 また、文化・スポーツや国際交流事業への参加を促進し、心身を鍛えるとともに人間として幅広い視野 を持つ人材育成に努めます。

生涯学習・生涯スポーツ活動の支援

○ 生涯学習について

 多様化する市民ニーズに対応した学習・活動機会の提供に努め、生涯を通して生きがい・やりがいを持 ち、必要な知識・技術を必要な時に学習できる環境の整備を進めます。

 また、個々が持つ優れた知識や技術の保存・継承と、指導者の養成に努めるとともに、学習成果のまち づくりへの活用を促進します。

○ スポーツについて

 佐久総合運動公園の活用などにより、市民一人ひとりが、年齢や体力、技術、興味、目的などに応じて 日常的にスポーツに親しみ、「だれもが」「いつでも」「どこでも」「いつまでも」気軽に参加できる環境づ くりを進めます。

 そして、個々の体力や運動能力の向上のみならず、仲間同士のふれあいや交流を深め、健康で活力ある 豊かな地域社会の形成を目指します。

交通ネットワークの形成

○ 高速交通ネットワークについて

 飛躍的な経済発展や救命救急医療への貢献、災害発生時の緊急輸送路などとしての機能が期待される中 部横断自動車道の整備を促進し、高速交通網の確立を図ります。

 また、松本空港、中南信地域とのアクセス性を高めることや計画されている中部縦貫自動車道と連携を 図るため、松本・佐久地域高規格道路の建設を促進します。

(2)ネットワークで築く地域の個性・特色を生かした多機能都市づくり

○ 地域交通ネットワークについて

 高速交通網へのアクセス機能強化や地域間連携を図るため、地域幹線道路の整備を推進し、ネットワー クの形成に努めるとともに、生活道路の整備を進めます。また、交通機関の利便性の向上を図り、誰もが 利用しやすい交通システムを構築し、地域間交流を促進します。

個性・特色を生かしたまちづくり

○ 土地利用について

 国土利用計画(佐久市計画)に基づき、自然的・農業的土地利用との調和を図りながら、本市の調和あ る持続的発展と一体性の確保を基本とする各種事業や、プロジェクトに対応した土地利用を推進します。  また、中部横断自動車道のインターチェンジ周辺は、機能の分担を図りながら、地域の活性化に寄与す る土地利用を進めます。

○ 市街地について

 市街地整備は、土地区画整理事業と街路整備事業などにより進め、用途地域内の低・未利用地の宅地化 を促進します。

 また、住民主体のまちづくりを進めるとともに、高齢社会にも対応した都市空間の創造に努めます。

○ 住宅・宅地について

 定住人口の増加を図るため、優良な住宅地の供給がなされるよう適正な民間開発の誘導と土地区画整理 事業を推進します。

 また、市民ニーズに対応した公営住宅の整備を進めます。

③ 高度情報通信ネットワークの形成

○ 高度情報通信ネットワークについて

 産業、文化、教育、福祉など様々な分野において、より高度で多様なサービスが受けられるよう地域の 情報化を進めるとともに、市民の情報活用能力の向上に努め、誰もが情報化の恩恵を等しく享受できる高 度情報通信社会の形成を目指します。

個性ある農林水産業の展開

○ 農業について

 本市の基幹産業である農業の持続的発展を図るため、優良農地の保全、土地基盤の整備を進めるととも に、担い手の育成・確保に努めつつ、農地の利用集積を促進し、効率的かつ安定的な農業経営を推進します。  また、安全な農産物の生産や消費の拡大を促進するとともに、産地間のネットワークによる農産物総合 供給基地の確立を目指します。

(8)

○ 林業について

 森林は多面的な機能を持つ貴重な資源であることから、適切な維持・管理、また有効活用を図るとと もに、林産物の生産振興や地場産材の活用を促進します。

○ 水産業について

 全国ブランドである佐久鯉を始め、シナノユキマス、フナなど地域特産品の付加価値づくりを進め、 多角的な販路の拡大を促進します。

にぎわう・ふれあう商業の展開

○ 商業・サービス業について

 高速交通網の整備や情報化の進展に伴い、商圏の拡大、消費者ニーズの多様化が進む中、空き店舗の有 効活用や特産品のブランド化、市街地整備などを進め、商店街の活性化を図るとともに、関係団体との連 携のもと個店のレベルアップを促進します。

 また、市民や企業のニーズに応え得る専門的技術を備えた人材の育成・確保を促進します。

ネットワークと交流で輝く観光拠点の創出

○ 観光について

 地域の特性を生かした新たな観光拠点の整備を進め、特色ある歴史・文化遺産や温泉施設、土産品など 様々な観光資源とのネットワーク化を図るとともに、各種イベントを開催し、魅力ある観光地づくりを推 進します。

 また、豊富な観光資源を体系的に位置付けた独自の観光空間の創出を図るとともに、近隣の観光地との 連携による広域観光ルートを確立し、佐久市のファンを増やします。

技・人・モノが集う工業の進展

○ 工業について

 高速交通網の結節点としての優位性を生かし、積極的な企業誘致を進めるとともに、産学官連携などに よる技術開発や技術力の強化を促進し、新たな産業を創出します。

 さらに、高度情報通信基盤の整備を活用し、企業の経営基盤の強化を図るなど、活力ある産業集積地の 形成を目指します。

働く機会と人づくり

○ 就労・雇用について

 雇用・就業機会の創出につながる企業誘致を進めるとともに、少子・高齢化の進展に伴う労働力不足の 解消に向け、女性、高齢者、障がい者などの就業機会の拡充に努めます。

 また、企業と連携し、仕事と家庭が両立できる労働環境への改善を促進するとともに、経済のグローバ ル化に対応するため、高度な技術力を備えた人材の育成を図ります。

(4) みんなが生涯現役で住みよい健康長寿のまちの形成

みんなが生きいきと安心して暮らせるまちづくり

○ 福祉のまちづくりについて

 福祉の基本理念は、すべての人が分け隔てなく暮らせる社会を実現することです。性別、年齢、障がい の有無を問わず、家庭や地域でお互いを尊重しつつ、その人らしい生活を可能とする福祉環境の整備と、 多様な福祉サービスの提供を図り、市民誰もが等しく生きいきと安心して暮らすことができる、福祉のま ちづくりを推進します。

こころとからだの健康づくり

○ 保健について

 「自分の健康は自分でつくる」を理念に「守る健康」から「つくる健康」への意識改革を進め、市民一 人ひとりが心と体の健康管理、体力増進など、自らの健康づくりを実践できる環境整備を推進します。  また、疾病の早期発見・早期治療のための健診体制の充実を図るとともに、温泉・森林などの地域資源 を活用した多角的な健康づくりを推進します。

○ 医療について

 誰もが等しくきめ細かな医療が受けられるよう、関係機関との連携を密にして地域完結型医療の構築を 進め、医療体制のさらなる充実を図ります。

 市立国保浅間総合病院については、地域の中核医療機関として、医療ニーズに対応する環境・機能を整 備します。

安心して子どもを生み育てられる子育て支援

○ 子育て支援ネットワークについて

(9)

(5)水と緑きらめく自然と共に生きる快適環境の創出

自然と共に暮らすまちづくり

○ 環境保全について

 本市は、恵まれた水と緑など多くの自然を有しており、この豊かな自然を未来へ継承していかなければ なりません。

 このため、地下水・湧水など地域の貴重な資源の保全を始め、自然環境や生活環境の保全に関する意識 の高揚を図るとともに、市民・事業者・行政が一体となって環境にやさしい社会の構築を推進します。  また、限りある資源の有効利用を図るとともに、新たなエネルギーの利用を促進します。

○ 街並み緑化・公園・景観形成について

 まち全体に緑があふれる快適空間を創造するため、緑化意識の高揚を図るとともに、緑地の保全と積極 的な緑化を推進します。

 また、市民の憩いやふれあいの場として、公園の整備を進めるとともに、地域と一体となって良好な景 観の保全・形成を推進します。

○ 水辺空間について

 本市を貫流する豊富な河川水系を守り、美しい水辺空間を後世に引き継ぐため、環境・景観・生態系に も配慮した水辺空間の保全に努めます。

資源循環型社会の形成

○ 環境衛生について

 地球温暖化や放射能問題など環境に関する社会問題が発生する中、環境に優しく、効率的な廃棄物処理 体制の整備を進めるとともに、ごみの減量化や資源のリサイクル化を一層推進します。

 また、廃棄物をエネルギーとして活用するなど、限られた資源の有効利用を進めるとともに、ごみ処理 に対する意識啓発を図り、市民・事業者・行政が一体となって資源循環型社会の形成を目指します。

○ 上水道・下水道について

 豊かな自然からの恵みである、安全でおいしい水を安定して供給していくため、給配水施設の維持・管 理、水源地の環境保全に努めます。

 また、豊かな自然を次世代に引き継ぐため、地域の実情にあった下水道施設の計画的な整備による全戸 水洗化を推進するとともに、快適な水環境を守るため施設の適正な維持管理に努めます。

(6)市民生活の安全確保と市民満足度の向上

安心で安全なまちづくり

○ 防災・消防・救急について

 いつ、どこで発生するかわからない災害に備えるため、建築物の安全性の確保や防災情報伝達システム の充実、雨水排水施設の整備を進めるとともに、市民・事業所・関係団体・行政が連携し、佐久市地域防 災計画に沿った防災体制を確立します。

 また、社会情勢の変化や広範な市域に対応するため、常備・非常備の消防力や救急体制の拡充を図ると ともに、自主防災意識の高揚に努め、災害に強いまちづくりを推進します。

○ 交通安全について

 高齢者・障がい者・子どもなど交通弱者優先の原則に立った交通安全教室や、交通安全指導の充実 を図るとともに、信号機・歩道・ガードレールなどの交通安全施設の整備を推進し、交通事故の防止に 努めます。

○ 防犯について

 凶悪化・巧妙化・広域化・国際化する犯罪などから市民を守るため、防犯協会や警察署、教育機関 等との連携強化のもと、地域防犯体制の拡充を図り、安心して暮らせる地域社会の構築に努めます。

○ 消費生活について

 消費者を標的にした詐欺事件や、食品の安全性に対する問題が増加する中、関係機関との連携強化 を図り、消費生活に関する情報提供や相談体制の充実など消費者保護対策を推進します。

市民満足度の向上

○ 協働のまちづくりについて

 市民ニーズが多様化・複雑化する中、市民と行政が共に「公共」の役割を担い、地方分権時代に即 したまちづくりを進めるとともに、市民の主体的参加を促進するため、広報・広聴活動の充実や行政 情報の公開を一層推進します。

 また、市民の連帯感の醸成を図るため、地域コミュニティ活動の活性化に努めます。

○ 行財政について

 行政運営を経営の視点で刷新するため、事務事業の見直し、組織機構の効率化などを図り、簡素で 効率的な行政体制の確立を進めるとともに、健全財政を堅持するため、経費の節減、財源の確保と計 画的な配分に努めます。

(10)

 本市は、平成17年4月1日に、当時の佐久市、臼田町、浅科村、望月町の1市2町1村が合併して誕生 しました。

1 位置と自然 

 本市は、長野県の東部(東信地域)で、県下4つの平のひとつである佐久平に位置し、北に浅間山、南に 八ヶ岳連峰をのぞみ、蓼科山・双子山(八ヶ岳中信高原国定公園)、荒船山(妙義荒船佐久高原国定公園) に囲まれ、千曲川が南北に貫流する自然環境に恵まれた高原都市です。

 市の面積は423.99㎢で、市域は東西32.1㎞、南北23.1㎞に及び、市役所位置の標高は692mであ り、気温の較差が大きく降水量が少ないなど、典型的な内陸性気候を示す高燥冷涼地です。特に、年間を通 して晴天率が高く、国内でも有数の日照時間が多い地域です。

2 歴史

 市内では、数多くの原始・古代の遺跡が発掘され、古くから人々が暮らしていたことが立証されていま す。平安末期から鎌倉時代には、大井荘・伴野荘・平賀荘などの荘園がつくられ、戦国時代には、武田(甲 斐)領となりました。

 江戸時代には、平賀・岩村田に陣屋が置かれ、天領として統治された所と、田野口藩(龍岡藩)・岩村田 藩・小諸藩の私領となっていた所とが入り混じるようになりました。この時代に五街道のひとつとして整備 された中山道の各宿場町は賑わいを見せ、佐久甲州道と合わせて交通の要衝の役割を果たすとともに、様々 な文化が生まれ育ちました。

 近年は、長野新幹線・上信越自動車道・中部横断自動車道などの高速交通網が整備され、大きな変貌を見 せています。

3 人口・土地・産業

 平成22年の本市の人口は100,552人、世帯数は37,032世帯で、県内第5位の人口規模を有していま す。平成17年に比べて人口が 0.1% 、世帯数が4.7%の増加となっています。また、老年人口(65歳以 上)は、25,985 人で、高齢化率は25.8%となっています。

 平成22年の出生数は862人であり、長期的には減少傾向となっています。また、本市の合計特殊出生率 は、平成22年で1.6(1.57)となっており、全国平均、長野県平均を上回っています。

 平成22年の市内の高等学校の生徒の進学者767人のうち628人が県外に進学しています。また、高校 卒業就職者141人のうち66人は市外就職となっています。

 土地については、地目別面積でみると、市域面積の約40%を山林が占め、約20%が農地で、約6%が宅 地です。宅地の面積は増加傾向にあります。

佐久市の概要

 産業別の就業人口は、製造業、サービス業、卸・小売業の比率が高くなっています。農業では、良質米の産地であるほか高原野菜や花き、果樹の生産も盛んに行われていますが、年々生産額は減少しており、農家 数・農業就業人口数はともに減少しています。水産業では、「佐久鯉」が地域団体商標登録され、佐久のブ ランドのひとつとなっています。工業では、市内12カ所の工業団地を核として生産用機械、輸送用機械、 食料品、電子部品、電気機器などの業種を中心に操業されていますが、製造品出荷額は減少傾向にありま す。商業面では、地域密着型の個性的商店街を目指した取り組みが進められる一方で、大型店舗立地による 商業集積が進み、周辺からの消費者を集めていますが、近年、店舗数・売り場面積は減少しています。

大正9年 14年昭和5年 10年 15年 22年 25年 30年 35年 40年 45年 50年 55年 60年平成2年 7年 12年 17年 22年 (人)

120,000

100,000

80,000

60,000

40,000

20,000

0

(世帯) 40,000

35,000

30,000

25,000

20,000

15,000

10,000

5,000

0 75,705 77,608

83,066 84,826 83,526 104,649

103,031 98,958

94,732

90,298 89,029 89,981 91,285 93,895

95,625 97,813 100,016

100,462 100,552 人 口

世帯数

14,725 15,068 15,593 15,962 15,789

19,875 19,630 19,672 20,214 20,972

22,211 23,502 25,363

26,728 28,759

31,483 33,836

35,362 37,032

1 時代背景の変化

◆ 本格的な人口減少・少子高齢時代への移行

 我が国の人口は明治以降長らく増加を続けてきました。特に戦後は、人口増とともに高度経済成長によ り、生活の豊かさも急速に向上しました。しかし、近年は出生率の低下などにより人口減少過程に移行し、 本格的な人口減少・少子高齢社会を迎えています。

 これまでは、社会・経済の仕組みが人口増による規模拡大を前提に成り立っていたものが、人口減少・少 子高齢時代を迎え、人口減少を前提とした社会経済システムへの転換が求められています。

時代・地域の背景

平成17年4月1日市制施行(1市2町1村合併)につき、合併前数値は、合併前市町村の合算値を表示した。 (資料:国勢調査)

(11)

ユビキタス社会:「いつでも、どこでも、何でも、誰でも」がコンピューターネットワークを始めとしたネットワークにつながることにより、様々 なサービスが提供され、人々の生活をより豊かにする社会のこと。

ソーシャルメディア:使用者が情報を発信し、形成していく情報媒体のこと。個人が発信する情報が不特定多数の使用者に対して露出され、閲覧し た使用者は返事を返すことができる。使用者同士のつながりを促進する様々な仕掛けが用意されており、互いの関係を視覚的に把握できるのが特徴。

定住自立圏構想:人口5万人以上の「中心市」と周辺市町村が協定を結び、圏域として定住、自立、発展を目指す。中心市と周辺市町村が互いに連 携しながら圏域としての利便性を高めていくことで、大都市への人口流出を防ぐのが目的とされる。

道州制:行政区画として道と州を置く地方行政制度。府県制、市制、町村制などにならったもの。

地域主権戦略大綱:地域主権改革を総合的かつ計画的に推進するため、当面講ずべき必要な法制上の措置その他の措置を定めるほか、平成22年以 後概ね2〜3年を見据えた改革の諸課題に関する取組方針を明らかにするものとして、平成22年6月に閣議決定された。

NPO(民間非営利組織):様々な社会貢献活動を行い、団体の構成員に対し収益を分配することを目的としない団体の総称。

◆ 経済環境の大変動

 経済社会のグローバル化が言われて久しく、世界規模での資本や技術、労働力などのボーダレス化(国境 を意識しない展開)が進展してきました。その中では、新興国の台頭など、国際間の力関係も変貌し続け、 各国とも世界市場を舞台とした「大競争時代」を生き抜くための戦略が展開されています。

 こうした環境下では、我が国への国際的な景気変動の影響も大きく、近年ではアメリカでのサブプライム ローン*問題、リーマン・ブラザーズ*破綻を契機とした金融危機・世界同時不況が日本経済も直撃し、その 後、回復過程に移行しつつあったものの、海外景気や円高の影響なども懸念されており、雇用情勢なども含 め厳しい状況が続いています。

◆ 東日本大震災による混乱

 千年に一度の規模と言われる東日本大震災は、津波被害や原子力発電所事故の影響を含め、多大な犠牲 と、被災地のみならず全国規模で社会・経済に混乱をもたらしました。原子力発電所事故の収束には長期間 を要すると予想され、全国的な電力供給不安や食品などへの放射能汚染への不安拡大など、経済社会への影 響も拡大しており、全国規模での混乱への対応や、被災地域の復興と活力ある日本の再生が求められていま す。

 また、今回の災害を教訓に、各地域の防災対策や安全・安心の確保について、一層の強化を図ることが求 められています。

◆ 環境・エネルギー・水・食料問題への行動

 平成9年の京都議定書*に続く平成21年のコペンハーゲン合意*などにより、地球温暖化防止への行動が世 界的課題とされ、温室効果ガス(二酸化炭素など)排出量の大幅削減が目標とされる中で、資源循環型社会 の構築や、「低炭素都市*」づくりへの取り組みが進められています。

 特に、環境関連技術を武器にした産業戦略(グリーンイノベーション*)が期待される一方、東日本大震災 を契機に我が国のエネルギー政策のあり方が問われている中で、太陽光など新エネルギー*(再生可能エネル ギー*)への注目はさらに高まっており、原子力や化石燃料などへの依存度を減らし、エネルギー自給率を増 やす政策への転換が目指されています。

 また、地球温暖化や新興国の人口増加などを背景に、世界的な水不足や食料需給のひっ迫などの問題が深 刻化するおそれもあり、水資源の保全や食料自給率の向上を図ることが求められています。

◆ 情報化社会の進展

 情報通信機器の進化やインターネットの普及により、誰もが様々な情報を自由に受信・発信できるネット ワーク社会が到来しています。「いつでも、どこでも、何でも、誰でも」ネットワークにつながり、情報シ ステムを利用できる社会(ユビキタス社会*)は、日々進化を続けています。

 「ソーシャルメディア*」と呼ばれる様々なサービスにより、人々のコミュニケーション手段や個人生活の スタイルも多様に変容し、通信販売の利用拡大に見られるなど、情報化社会の進展は市民生活に大きな影響 を及ぼしています。

 行政においても、情報化社会の進展に伴い、情報ネットワークを生かした情報発信や電子政府、電子自治 体の形成など、情報化社会に対応したサービスの提供が求められています。

◆ 地方分権への動き

 地方が自己決定・自己責任により自らの地域を運営する主体性を高める地方分権が大きな流れとなってい ます。基礎自治体の体制強化を図ることを目的に、「平成の大合併」と呼ばれた市町村合併が推進され、さ らに、定住自立圏構想*の推進などによる地域間連携の強化や道州制*の議論が進められています。

 現在、地方分権は「地域主権改革」として推進され、平成22年に示された地域主権戦略大綱*のもとで、 地域主権改革推進一括法の制定、地方自治法の一部改正などにより、国から地方への権限委譲が進んでお り、地方自治体は、今まで以上に自主性・自立性を高めた行政運営が求められています。

◆ 市民協働社会への歩み

 市民の自治意識、行政への参画意識の高揚に伴い、従来の行政主導型から、市民と行政が連携して役割を 分担しあう「協働」の重要性の認識が高まり、様々な形で協働のまちづくりの動きが広がっています。  ボランティア活動の浸透やまちづくりに関わるNPO(民間非営利組織)* の増加などにより、市民が地域で 自ら行動するとともに、行政の計画づくりや事業への市民参画機会の拡大も図られています。

 また、少子高齢化などにより地域社会の構造も変化しており、地域の相互扶助の基盤であるコミュニティ の再構築、市民同士の新しい連携による「共助」の必要性も増しています。

サブプライムローン:主にアメリカ合衆国において貸し付けられるローンのうち、サブプライム層(優良客(プライム層)よりも下位の層)向けと して位置付けられるローン商品をいう。

リーマン・ブラザーズ:アメリカのニューヨークに本社を置いていた大手証券会社の投資銀行。

京都議定書:平成9年12月に京都市の国立京都国際会館で開かれた第3回気候変動枠組条約締約国会議(地球温暖化防止京都会議)で同月11日に採 択された、気候変動枠組条約に関する議定書のこと。正式名称は、「気候変動に関する国際連合枠組条約の京都議定書」という。

コペンハーゲン合意:京都議定書に続く、平成25年以降の新たな地球温暖化対策の枠組みに関する政治的な合意で、平成21年12月にデンマークで 行われた第15回気候変動枠組条約締約国会議の全体会合で、「同合意を留意すること」が決定された。

低炭素都市:二酸化炭素の排出が少ない都市のこと。地球温暖化の原因である温室効果ガスのうち、大きな割合を占める二酸化炭素の排出が少ない 社会を構築することが、世界的な課題となっている。

グリーンイノベーション:世界的な課題である環境問題に対して、社会の持続的な発展のために多様な科学技術や社会的な思考の変革を基に展開す る多様な取り組み。日本では、平成21年に民主党の鳩山内閣が閣議決定した「新成長戦略(基本方針)」の中で、6つの戦略分野の一つとして「グ リーンイノベーションによる環境・エネルギー大国戦略」を位置付けたのが最初。

新エネルギー:利用し続けても枯渇することがなく、環境への負荷も少ないエネルギー資源。風力発電、太陽光発電、地熱発電、バイオマスエネル ギーなど。

(12)

とても住みやすい 19.2%

どちらかといえば住みやすい どちらかといえば

住みにくい 7.2% とても住みにくい

2.2%

どちらともいえない

10.5% 不明1.8%

59.1%

2 地域背景の変化

◆ 高速交通網の拡充

 長野新幹線と上信越自動車道の利用は地域経済や市民の生活の中でも定着し、広域的な交流や連携の拡大 など様々な効果・影響を顕在化させています。

 長野新幹線は、金沢までの延伸開業が平成26年度末に予定されており、利便性の高い鉄道による交流の 範囲も、首都圏や県内に加え北陸方面にも一気に広がり、様々な効果が期待される一方で、交流圏の拡大に 的確に対応し、市政発展に寄与させることが重要な課題となっています。

 また、高速道路では、平成22年度に中部横断自動車道の佐久小諸ジャンクションと佐久南インターチェ ンジの間が開通し、地域活性化インターチェンジとして、佐久北・佐久中佐都インターチェンジも整備され ました。現在、佐久南インターチェンジから八千穂インターチェンジ(仮称)間の整備が進められています が、八千穂インターチェンジ(仮称)から長坂インターチェンジ(仮称)間は、基本計画区間となっていま す。高速交通網はネットワーク化されてこそ、その整備効果が最大限に発揮されることから、中央自動車道 に接続するよう中部横断自動車道の早期開通の実現に向けた取り組みを進めています。

◆ 地域医療体制の充実

 浅間総合病院は、病院整備事業が平成19年度に竣工し、医療・療養環境の向上を図りました。平成23 年度からは手術室の改築などを行う第二次整備事業に着手しています。

 また、平成20年4月に、佐久地域初の4年制大学として佐久大学看護学部が開学し、地域の保健医療な どの分野における人材の育成を担っています。

 佐久歯科医師会の協力により、休日救急歯科診療所をサングリモ中込内に開設し、さらに、佐久医師会の協力 により、浅間総合病院内に佐久地域休日小児科急病診療センターと平日夜間急病診療センターを開設しました。  佐久総合病院は、広域的に高度専門医療や救命救急医療を担う佐久医療センターと、地域の一次・二次医 療を担う本院とに機能を分けて再構築されることとなり、平成25年度の完成予定で中込原地区に佐久医療 センターの建設が進められています。

 こうした動きに伴い、浅間総合病院、佐久総合病院、川西赤十字病院を始めとする病院相互の連携を図る 「病病連携」や、病院と地域の診療所の連携を図る「病診連携」などによる新たな地域医療体制の整備充実

に向け、佐久医師会と市が中心となって検討を進めています。

◆ 広域行政の推進

 佐久広域連合は、平成12年度に発足し、市町村合併を経て、現在、佐久市を含む11市町村で構成さ れ、消防施設や養護老人ホーム・特別養護老人ホームなどの運営、介護認定審査会の運営、広域的な観光振 興などの施策を展開しています。

 人口減少時代の到来や急激な高齢化は、行政サービスの多様化と財政の硬直化をもたらし、より広域的で 効率的な行政運営が求められ、広域行政の重要性が増しています。

 平成21年度から全国展開されている「定住自立圏構想」は、中心市の都市機能と周辺市町村の農林水産 業・自然環境・歴史・文化などの魅力を活用して相互に役割分担、連携・協力することで、圏域全体で必要 な生活機能を確保し、地方圏への人口定住を促進するものです。佐久地域では、佐久市が中心市として小諸 市、東御市及び南北佐久郡9町村と協定を結び、医療や産業振興、交通などの分野で連携を図る「佐久地域 定住自立圏」による施策を推進しています。

3 市民の意識

 後期基本計画の策定にあたり、前期基本計画期間の市の取り組みに対する市民の満足度や重要度の評価な どを把握する市民アンケート調査を実施しました。その主な結果を以下に示します。

● 佐久市の住みやすさ

 佐久市の住みやすさに関しては、「とても住みやすい」が19%、「どちらかといえば住みやすい」が 59%で、合わせて78%が住みやすいと評価しています。前回(平成17年)調査ではこの値が63%で あったことと比較すると、住みやすさの評価はかなり高まっていると言えます。

≪市民アンケート調査の実施概要≫

実施期間 平成22年11月19日~12月13日

調査対象 市内に在住する16歳以上の男女3,000人(住民基本台帳から無作為抽出)

調査内容 市の主要な施策に対する満足度、現状認識、今後の市政への要望など

調査方法 無記名方式 郵送による配布・回収

有効回答 1,754人(男性:817人、女性:930人、不明:7人 )

(13)

■ 前回調査との比較

● 将来の佐久市像

 佐久市が将来目指すべきまちの姿(2つまで回答)は、「保健・医療・福祉が充実した健康長寿のまち」 が最も高く(54%)、前回(平成17年)調査から12ポイント上昇しています。次いで、「豊かな自然と調 和した農林水産業が盛んなまち」、「教育環境が整備され、青少年の健全育成や人材育成が盛んなまち」と なっています。

今回調査(平成22年) 前回調査(平成17年) 53.6 23.4 23.3 21.4 18.4 16.6 16.4 13.5 6.0 0.7 41.6 24.8 23.6 30.1 30.1 37.0 23.6 16.2 5.6 0.6

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 (%) 保健・医療・福祉が充実した健康長寿のまち

豊かな自然と調和した農林水産業が盛んなまち

教育環境が整備され、青少年の健全育成や人材育成が盛んなまち

道路・公園・住宅などが整備された便利で快適なまち

子育て支援が充実したまち

防災・防犯・交通安全対策などが充実した安全・安心なまち

文化施設やスポーツ施設が整備され、文化・スポーツ活動が盛んなまち

商工業が発展し、産業の育成などが進むまち

国内外の人が訪れる交流・観光・リゾートのまち

その他

今回調査(平成22年) 前回調査(平成17年) 19.2 59.1 7.2 2.2 10.5 14.1 48.9 28.0 6.8 2.2

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

とても住みやすい

どちらかといえば住みやすい

どちらかといえば住みにくい

とても住みにくい

どちらともいえない

(%)

● 各施策の満足度・重要度の評価

 39項目の個別施策ごとに、満足度と重要度をたずねた結果、最も満足度が高い項目は「高速交通ネット ワーク」で、「上水道」、「防災・消防」がこれに次いでいます。一方、満足度が最も低い項目は、「働く機 会・働く環境」で、「農業」がこれに次いでいます。

 また、最も重要度が高い項目は、「働く機会・働く環境」で、「地域医療」、「ごみ・リサイクル」、「高齢者 の福祉」がこれに次いでいます。

 満足度の低い「働く機会・働く環境」や「農業」は、重要度の評価が高くなっています。一方、満足度の 高い「高速交通ネットワーク」、「上水道」、「防災・消防」も、重要度の評価が比較的高くなっています。

※下のグラフは、各項目の満足度、重要度それぞれについて、「満足」「重要」:5点、「やや満足」「やや重要」:4点、「ど ちらでもない」:3点、「やや不満」「あまり重要でない」:2点、「不満」「重要でない」:1点として、回答数により平均 得点を算出したもの(点線は全項目の平均値)

3.00 3.20 3.40 3.60 3.80 4.00 4.20 4.40 4.60 4.80

2.00 2.20 2.40 2.60 2.80

注;点線は全項目の平均を示す(満足度2.97 重要度4.15) 3.00 3.20 3.40 3.60 3.80 4.00

文化・芸術

防災・消防

交通安全

子育て支援

上水道 下水道

地域交通 ネットワーク

スポーツ 障がい者の福祉

学校教育・幼児教育

人権尊重社会 工業

高速交通ネットワーク ごみ・リサイクル

働く機会・働く環境

情報化 行財政

観光

協働のまちづくり 地域医療

高齢者の福祉

男女共同参画社会

市街地・住宅地 国民 健康保険 農業

水産業 健康づくり

地域間交流・国際交流 子どもの健康

生涯学習 消費者生活

街並み・景観

福祉のまちづくり ひとり親家庭

・低所得者の 福祉

青少年の健全育成 防犯

商業・サービス業 林業

環境保全 (重要度)

(満足度)

満足度低い・重要度高い 満足度高い・重要度高い

(14)

 佐久市の現状に、時代・地域の背景などを照らして、今後のまちづくりを進めるにあたっての主要な課題 を以下のように整理します。

 人口減少・少子高齢化と都市部への人口流出が全国的に見られる中で、本市の人口は平成22年に 実施された国勢調査結果で増加しています。今後も、首都圏などからのアクセスが良く、豊かな自然 環境をもつ本市の特性を生かして人口の増加を図り、本市の発展につなげることが必要です。とりわ け、将来にわたる生産年齢人口の確保や、活力ある地域社会を維持発展させるため、若者や子育て世 代の定住を促進することが重要な課題となっています。

 このため、若年層の流出を抑制し、流入を促進するため、高等教育機関などの学びの場や魅力ある 産業や雇用の場の充実、生活環境の整備や活動しやすい風土づくり、さらには、Uターン*、Jター ン*、Iターン*を促進する受け皿としての環境の充実などが必要とされます。

 同時に、明日の佐久市を担う次世代の健全な育成のため、子どもを生み育てやすい子育て支援環境 の充実や、郷土への愛着を育てる教育の展開なども求められます。

 長野新幹線や上信越自動車道の開通以来、利便性の高まった市北部で人口の比重が高まり、大型店 などの立地も相次ぎ、新市街地の形成も進展しました。一方、南部や西部では人口が減少し、同じ市 内で都市化と過疎化が同時進行しています。

 また、広域的な小売吸引力は高いものの、市北部の大型店群の集客力に依存する商圏構造であり、 岩村田、中込、野沢、臼田、望月など旧来の各地区市街地中心部は空洞化が進んでおり、地域商店街 の組織強化及び魅力向上などによる商業振興が課題となります。

 このため、大型店などの適切な立地施策の展開と、旧来の市街地中心部の商業振興、活性化への組 織的取り組みの促進により、地域の特性を生かしつつ全市的に調和のとれた発展を促すことが重要と なります。

 中部横断自動車道の供用が一部で始まり、インターチェンジ周辺などにおける開発需要が高まって います。都市的な開発、土地利用転換の需要は今後も続くと考えられ、市内経済の活性化と持続的に 発展するための活力創出の視点から、適切な誘導を行うことなどが重要です。

 また、農家数、農業就業人口の急速な減少も見られる中で、耕作放棄地が増加しており、美しい田 園風景を後世に継承していく上で大きな問題となります。

 特に、付加価値の高い農業振興を目指した優良な農地の保全、無秩序な農地転用や耕作放棄地の増 加の防止、水源かん養機能も持つ山林の保全・整備などに総合的に取り組んでいく必要があります。

 本市は地域をけん引する主力産業が少なく、市内の農業生産や工業生産は減少傾向にあります。

佐久市の主要課題

課題①

若者や子育て世代の定住を促進し人口の増加を図ること

課題②

地域の調和のとれた発展を促し適切な都市構造を築くこと

課題③

土地需要の調整と土地利用の適正化を図ること

課題④

地域の産業の活力を高め雇用機会を拡大すること

 少子高齢化は着実に進んでおり、生産年齢人口に対する高齢者人口の割合は急速に高まっていま す。地域での高齢者比率の増大、特に高齢者世帯、高齢者単独世帯の増加は、地域内の相互扶助力に 基づいたコミュニティ機能を低下させるとともに福祉や医療などの需要を増大させる懸念がありま す。また、広大な市域に小規模な集落が点在する状況から、そこでの集落機能の維持がしにくくなる おそれもあります。

 このため、各地域内での相互扶助力を高めるコミュニティ機能を、地域特性に見合った形で強化育 成するとともに、医療や介護を地域社会で支える仕組みの構築が必要となります。

 また、各地区や集落で不足する機能を補い合うため、市街地と集落部などを結ぶ公共交通や通信機 能を確保・強化することが課題となります。

 佐久地域の拠点都市としての都市基盤整備が進み、多くの観光資源はあるものの全国的知名度・集 客力の発揮に至っておらず、それらの資源に磨きをかけて佐久の魅力を総体的に高めるとともに、効 果的な情報発信により交流人口の創出を図ることが必要です。

 また、新たな文化発祥都市を掲げる中で、自然環境や歴史、先人の偉業などの特性を生かした独自 の魅力ある文化を育成できるよう、様々な文化創造活動を促進することが課題となります。

 市民意識の高揚に伴い、市民が行政に参画する機会が増えるとともに、NPOなどによるまちづくり 活動が活発になっています。こうした市民の力を活用し、市民との協働により市民が積極的に参加す るまちづくりを進める必要があります。

 このため、協働によるまちづくり体制を確立するとともに、市民活動の活性化や活動体制の強化を 促進することが重要な課題です。

 大規模な自然災害が一度発生すれば、市民の生活基盤が一瞬にして失われてしまうことにもなりか ねません。また、原子力発電所事故による放射能汚染の問題は、市民の安心安全を確保する観点から 長期的な対応が求められます。さらに、少子高齢化を背景とする交通弱者や買い物弱者の増大に対応 するため、高齢社会を前提とした社会システムの構築を考える必要があります。

 このため、大規模災害による被害を最小限とするための災害に強いまちづくりや、放射能汚染など に対する安心安全確保対策の推進、公共交通の再構築や公共施設の再編などにおける福祉的観点から のアプローチ、さらには食料や自然エネルギーの地域内自給などによる地域資源循環型社会の構築な どにより、将来にわたって安心して暮らし続けることのできる地域を構築することが重要な課題です。

課題⑥

佐久の名を誇れる魅力資源や文化を育て、情報発信により交流拡大を図ること

課題⑦

市民協働によるまちづくりの力を高めること

課題⑤

地域社会における相互扶助力を高めること

課題⑧

市民が安心して暮らし続けることができること

 このため、既存の産業振興を図るとともに、本市の特性を生かした医療・福祉・健康など産業の創 出が必要とされます。

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